■今も残る悲しみ

 ルワンダは100日間に及ぶ大虐殺が始まったあの日から、今月7日で20年を迎える。しかし人々の頭上には今も恐怖と悲しみの暗雲が垂れ込め、いつもどこか心を解放しきれずにいる。

 今日では出身民族を問われることはなくなり、身分証明書にもその記載はない。

 1994年のおぞましい出来事は「ツチ大虐殺」と呼ばれている。その呼称の陰で、フツ人の穏健派も殺されたことは忘れられ、当時反体制派だったポール・カガメ(Paul Kagame)現大統領が政権を掌握する際にどれほどおびただしい血が流されたかも曖昧になっている。

 19歳のイベット(Yvette)さんは、「私たちは民族のことは話さない。話すのは昔の事実だけ」として、「私たちの世代は、過去に起こったことを絶対に二度と起こさないよう、多大な努力をしなければならない」と話している。(c)AFP/Hannah McNeish