消費動向の調査分析を行うカンタル・ワールドパネル(Kantar Worldpanel)の最近の調査によると、英国では年間64億個のサンドイッチが食べられ、食事がインスタント食品になる機会は16億回に上っていた。

 さらに英国人は11億枚のピザを食べ、16億個のパイとパスティ、15億回のロースト料理の食事、5億7800万皿のボロネーゼスパゲティ、3億800万枚のラザニアを食べていた。食生活の傾向は明確だ。

 英栄養士会(British Dietetic Association)のアズミナ・ゴビンジ(Azmina Govindji)氏は「私たちは1日2皿(の野菜か果物)、もしかしたら3皿は食べるよう努めている。非現実的な目標を推奨したら、人々があきらめてしまうのではないか」と懸念する。

「国民に一律の推奨をするのなら、そこにはコストや時間の問題がある。私たちは現実的になるべきだ」「私の推奨は、今日食べている分をがんばろう。そして明日はもう1皿分増やすように頑張ってみよう、ということ」

 英国の果物と野菜の価格は過去6年に30%上昇し、現在は欧州連合(EU)平均よりも19%高い。この価格の上昇は金融危機後の景気後退と並行して起きており、貧困層で果物や野菜の摂取量が少なくなっていることも当然と言える面がある。

 カンタル・ワールドパネル(Kantar Worldpanel)のビジネスユニット責任者のジョナサン・ファース(Jonathan Firth)氏は、健康な食生活へのトレンドは始まっており、景気が回復するに連れて食生活も改善される見通しだと語る。

「私たちの意識はずっと高まっている。英国の食生活がとても健康的になったということではないが、そこに向かって前進している」

(c)AFP/Alice RITCHIE