【4月4日 AFP】リベリアの保健当局は3日、エボラ出血熱が流行している隣国ギニアと全く接点がないのに同病にかかった疑いのある患者が初めて見つかったと発表した。

 この症例は、同国東部のタピタ(Tapeta)で報告された。これまでリベリアで見つかった例はいずれも、エボラ出血熱で84人が死亡しているギニアでエボラウイルスに感染し、国内に戻ってきたという患者ばかりだった。もし今回の症例の感染源がリベリア国内と確認されれば、エボラ出血熱のまん延を抑制しようとする取り組みの中で憂慮すべき事態といえる。

 ベレニス・ドーン(Bernice Dahn)首席医務官はAFPに対し、「タピタで猟師の症例が見つかった。ギニアから来た人とは一切接触がなかったのに病気になった」と明かした。「患者は病院に運び込まれて30分後に死亡した。ウイルス感染が疑われる人と関わったことは一度もなく、ギニアに行ったこともなかった。独立した症例だ」としている。

 非常に感染力の強いエボラウイルスの自然宿主と考えられているオオコウモリは、ギニア、リベリア、シエラレオネにまたがる地域で珍味として食用にされてきた。専門家らは、猟師らが捕らえた野生動物の肉が病気の感染源になっている恐れがあるとみている。

 リベリア東部ニンバ(Nimba)州にあるこの小さな町タピタは、ギニア南部のエボラ出血熱の発症の中心地から400キロ離れており、車で少なくとも5時間はかかる。リベリアでエボラ出血熱と疑われる症例が見つかった他の場所よりも、ギニア国境からの距離はさらに遠い。

 ドーン氏は、「この狩猟者は森林内の500か所にわなを仕掛けていた。森の中で気分が悪くなり、病院に運び込まれた」とAFPに語った。また、リベリア国内でエボラ出血熱と疑われる患者は新たに7人増えて計14人になったとしている。(c)AFP/Zoom Dosso