【4月4日 AFP】サッカー元オランダ代表のヨハン・クライフ(Johan Cruyff)氏が3日、ドイツ・ブンデスリーガ1部のハンブルガーSV(Hamburger SV)に所属するラファエル・ファン・デル・ファールト(Rafael van der Vaart)について、クラブ史上初となる降格の危機からハンブルガーを救える選手ではないと語った。

 現オランダ代表のファン・デル・ファールトが主将を務めるハンブルガーは、ブンデスリーガでは唯一、2部を経験したことがないクラブだが、現在はわずか6試合を残して降格圏となる下位3チームから抜け出すことができずにいる。

 攻撃的MFで31歳のファン・デル・ファールトは、今季だけで3人が監督を務めたハンブルガーで苦しい時期を送っている。チームはトルステン・フィンク(Thorsten Fink)監督と、オランダ代表を率いた実績を持つベルト・ファン・マルワイク(Bert van Marwijk)監督がどちらも解任され、現在はミルコ・スロムカ(Mirko Slomka)監督が率いている。

 今季23試合に出場して7得点を挙げている司令塔のファン・デル・ファールトだが、クライフ氏によれば、長い距離を走ってチームを助ける姿勢が求められているハンブルガーでは、創造的な技術もほとんど宝の持ち腐れになっており、そのためチームを救うことは難しいという。

 地元紙ハンブルガー・モルゲンポスト(Hamburger Morgenpost)でクライフ氏は、リーグ17位につけるハンブルガーについて言及し、「ファン・デル・ファールトはとても良い選手だが、ハンブルガーは彼にとって難しいチームだ。たくさん走らなくてはならないし、そこが強みの選手ではないからね」とコメントした。

「強みは創造的なサッカーができることで、こういう弱いチームでプレーするのは良いことではない」

 ハンブルガーは4日に本拠地で行われる4位バイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)戦でどうしても勝ち点3が必要だが、チームはリーグ戦ここ15試合でわずかに2勝しか挙げられていない。

 一方でクライフ氏は、レアル・マドリード(Real Madrid)やトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hostpur)でもプレーしたファン・デル・ファールトが、オランダ代表では鍵となる選手になり得ると語っている。ルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督率いる代表は、6月から開幕するW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でチリ、オーストラリア、スペインと同じグループBに入っている。

 クライフ氏は、「オランダにはファン・デル・ファールトが必要だ。唯一無二の技術があって、チームには欠かせない選手だ」と語った。(c)AFP