【4月3日 AFP】イタリアの警察当局は2日、ベネチア(Venice)の観光名所サンマルコ広場(Piazza San Marco)を「手作り戦車」で占拠してイタリアから独立した新政府を樹立しようとの計画を阻止し、分離独立派とみられる24人をテロ容疑などで逮捕した。

 警察発表によると、「テロ行為の共謀と民主的秩序の破壊」の容疑で拘束されたのはベネト(Veneto)州、ロンバルディア(Lombardy)州、サルデーニャ(Sardinia)州の急進的な分離派による地下組織「同盟(The Alliance)」の活動家ら。有罪なら最長で禁錮15年の刑に相当する。

 容疑者らは、アルバニアのマフィアから調達した銃と自作した戦車を使い、サン・マルコ広場を「解放」して新政府を樹立しようと画策。「武装したメンバーを含む数百人」で広場を襲撃し、「経済危機の影響を最も大きく受けたイタリア北部の住民による反乱」を起こそうとしていたとされる。

 セルビアやスイスなど「友好的な国」に「大使館」を開設し、国際社会に独立を認知してもらう計画も立てていたという。

■独立問うネット投票、200万人超が賛成

 ベネト州では先月、イタリアからの独立の是非を問うインターネット住民投票が実施され、圧倒的多数の200万人以上の住民が分離独立を支持する結果が出ていた。ただ、ウクライナ・クリミア(Crimea)情勢に触発されたこの住民投票には法的拘束力はなく、結果の操作も可能な状態だった。

 地元メディアは身柄を拘束されたうちの1人について、イタリア北部の自治拡大を掲げる政党「北部同盟(Northern League)」所属のフランコ・ロケッタ(Franco Rocchetta)元議員だと伝えている。北部同盟は3月のネット投票の実施にも関与していた。