研究チームは「ウォレスやダーウィンが議論していたシマウマのしま模様の謎に対する答えの1つが、すぐ手の届く所にある」と記している。

 ウマ科の動物に寄生する吸血性ハエの「アブ」と「ツェツェバエ」の2種族は、生息域がシマウマと地理的に大きく重なっていることを研究チームは明らかにした。これにより、シマウマがこれらの害虫に対する防御を必要とする理由の説明がつくと思われる。

 研究チームは、間接的な証拠も多数存在するとしている。

 野生のウマなどの他のウマ科動物は、吸血性昆虫に悩まされる確率がかなり高い。

 シマウマの体を覆う毛は、キリンやアンテロープなどに比べて短くて細いにもかかわらず、研究チームの調査では、シマウマの血液はツェツェバエの体内からはほとんど検出されない。

 また、ツェツェバエが媒介する「睡眠病」は、アフリカに生息する他のウマ科動物には広く見られるが、シマウマは他と比べてはるかにこの病気にかかりにくい。

 吸血性ハエによる危害の軽減としま模様との間の相関関係は「著しく高い」と論文は指摘している。

「それに対し、カモフラージュ、捕食動物の回避、体温管理、社会的相互作用仮説などには、一貫性のある裏付けが存在しない」

(c)AFP/Richard INGHAM