【4月1日 AFP】韓国のアシアナ航空(Asiana Airlines)は1日、昨年7月に米サンフランシスコ国際空港(San Francisco International Airport)で3人が死亡した着陸失敗事故について、操縦士の過失が事故原因だった可能性を初めて認めた。その一方で、自動的に速度を維持する装置「オートスロットル」の技術的な問題を含めて事故の要因をほかにも複数挙げている。

 2013年7月6日、韓国ソウル(Seoul)発、サンフランシスコ行きのアシアナ航空214便は、サンフランシスコ国際空港に着陸しようとした際に護岸に衝突。機体は滑走路を滑ってその後、炎上した。この事故では3人が死亡し、約200人が負傷した。

 アシアナ航空が発表した声明文は、「事故の推定原因は、最終進入において最低限の安全速度を監視、維持できなかった操縦士の過失」としている。

 さらにアシアナ航空は声明のなかで、事故を起こしたボーイング(Boeing)777-200ER型機の自動システムの「矛盾点」に惑わされ、操縦士たちはオートスロットルが設定速度を維持していると思い込んでいたと説明した。

 アシアナ航空がまとめた調査結果は、既に3月17日に事故原因の調査を主導している米運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)に提出したという。

 一方、NTSBは、自動操縦システムの役割は補完的なもので、操縦士らには装置などを監視し衝突を防ぐために周囲の状況に注意を払う義務があると主張している。

 NTSBの調査によれば、事故を起こしたアシアナ航空機の自動操縦システムは4.8キロ手前で切られており、飛行速度は理想的な接近速度より34ノット低い103ノットまで減速。また、同機は進入高度が低すぎたため、着陸の目安となる滑走路端の接近灯の4つが着陸の回避を示す赤色に点灯していた。

 これに対しアシアナ航空側は、事故機の2人の操縦士は優秀で、ソウルとサンフランシスコ間の飛行経験も豊富だと2人を擁護している。(c)AFP