【3月30日 AFP】メキシコ内務省移民局(INM)は29日、国内14の州で今月17~24日の間に、米国に向かう途中で密入国請負業者に置き去りにされたとみられる子供370人以上が見つかったと発表した。子供たちの年齢や国籍などは明らかにされていない。

 移民局の声明は、「子供たちは極度の疲労状態にあり、足の負傷のほか脱水や自分の置かれた状況を正しく認識できなくなる失見当識などがみられる。子供たちは自分たちがどこで置き去りにされたのか分かっていない」としている。

 これに関連して、当局は人身売買に関与した疑いのある9人の身柄を拘束した。

 INMは、「メキシコを単身で通過する不法移民とみられる子供の数は、ここ数か月の間に急増している」と指摘していた。

 必要な証明書類を持たず、メキシコを通って米国に向かう危険な旅を企てる不法移民の数は年間およそ14万人に上り、その大半は中米の出身者だ。多くは子供を連れており、米国に入る手助けをする「コヨーテ(coyote)」と呼ばれる請負業者を頼っている。

 しかし、こうした不法移民が犯罪組織の標的とされ、強盗や恐喝、レイプ、誘拐、殺人の被害に遭うケースは非常に多い。(c)AFP