【3月30日 AFP】世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2014)は29日、さいたまスーパーアリーナ(Saitama Super Arena)で女子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、浅田真央(Mao Asada)が優勝した。

 通算3度目の優勝を飾った浅田は、2月に行われたソチ冬季五輪の雪辱を果たし、地元の大観衆の前で見事な返り咲きをみせた。

 欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2014)女王で15歳のユリア・リプニツカヤ(Julia Lipnitskaia、ロシア)が2位に、そしてソチ五輪銅メダリストのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner、イタリア)が3位に入った。

 2008年と2010年大会覇者の浅田は、ソチ五輪のショートプログラム(SP)でトリプルアクセルに失敗して16位と出遅れたが、フリーでは自身の代名詞でもあるトリプルアクセルの着氷に成功し、6位入賞を果たしている。

 27日のショートでは金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ、韓国)が保持していた歴代最高得点記録を塗り替えた23歳の浅田は、現役最後の演技になる可能性があるフリーでジャンプの小さなミスがあったものの、そのほかの要素を完璧にこなし、3種類のスピンとステップシークエンスは最高評価のレベル4と認定され、トップの138.03点を記録した。

 浅田は合計得点で自己最高となる216.69点を記録し、昨年11月のNHK杯(NHK Trophy 2013)で記録した207.59点を更新した。

 浅田は、「1つのミスに悔いは残るけれど、自分の気持ちをコントロールして次につなげられたと思う」と語った。

「自分がやりきったと思える演技をすることが目標だったので、それには満足しています」

 浅田は、高得点を獲得できる難易度の高いトリプルアクセルを公式戦で取り入れている唯一の女子選手だが、セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov)のピアノ協奏曲第2番ハ短調に乗せた今大会のフリーでは、冒頭のトリプルアクセルが回転不足とみなされた。

 浅田はその後、3回転ループに続くコンビネーションで最初の3回転フリップも回転不足とされ、3回転ルッツはエッジエラーと判定された。

 しかし、優美なスピンと華麗なステップ、スパイラルで満員となった1万8200人の観衆を魅了した浅田は、28日に男子シングルで大会初優勝を果たした羽生結弦(Yuzuru Hanyu)に続き、スタンディングオベーションを受けた。