調査会社F.O. Licht のアナリスト、シュテファン・ウーレンブロック(Stefan Uhlenbrock)氏は、昨年11月の時点では市場関係者の誰もがブラジルやコロンビア、ベトナムでコーヒー豆が生産過剰になると話していたが、今は正反対になっていると説明。「ブラジルの生産見通しが懸念されている。市場は、過去4年間なかったコーヒー豆不足への脅威に直面している」と話した。

 特に年の初めはブラジルのコーヒー豆の生育にとって重要な時期なこともあり、市場は収穫減少の懸念に敏感だ。F.O. Lichtは早くも今年度のブラジルの収穫予想を下方修正。従来予測から15%引き下げて4800万袋とみている。F.O. Lichtのウーレンブロック氏は、「実際の被害は収穫が始まる5月にならないと分からない」と話す。

 オーストラリアの金融機関マッコーリー(Macquarie)の農産物商品アナリスト、コナ・ハク(Kona Haque)氏は、「一部の気象予報通り、乾燥状態が5月まで続いたら価格は高騰するが、収穫量が5500万袋程度になった場合は、暴落する可能性がある」と分析した。

 過去の例をみると、アラビカ種は世界的な供給不足懸念を背景に、2010/11年に1ポンド当たり307.20セントと14年ぶりの高値を付けたが、次の年度に生産が回復して12年と13年は価格が暴落した。

 オーストラリアのコーヒー焙煎会社、グリフィス・コーヒー(Griffiths Coffee)は小売価格の上昇を予想している。同社のクリス・トギアス(Chris Togias)氏はAFPに「最近のコーヒー豆の価格上昇で、コーヒー1杯の値段は少なくとも50セント上がるだろう。オーストラリアでは1杯3~4ドルだが、約12~15%の値上げがあるかもしれない」と話した。(c)AFP/Jessica BERTHEREAU