【3月31日 AFP】イタリア南部を拠点とする犯罪組織「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」が昨年1年間に稼いだ金額は530億ユーロ(約7兆5000億円)で、ファストフード大手マクドナルド(McDonalds)とドイツ銀行(Deutsche Bank)の年間売上高を合わせたよりも多かった――。こんな研究結果が、このほど発表された。

 イタリアの研究機関デモスコピカ(Demoskopika)が内務省、警察、議会のマフィア対策委員会、マフィア対策庁などの資料を分析しまとめた調査報告には、ヌドランゲタの国際犯罪網における収益源が詳細に記されている。

 それによると、ヌドランゲタが2013年に上げた収益は、同年のイタリアのGDP(国内総生産)の3.5%に相当するという。また、ヌドランゲタは世界30か国に400余りの「支部」を持ち、その犯罪活動に関与している人間は6万人に上るとみられる。

 主な収益源としては、麻薬密輸が推計242億ユーロ(約3兆4300億円)、違法なごみ処理ビジネスが同196億ユーロ(約2兆7800億円)、ゆすり・高利貸しが29億ユーロ(約4100億円)、横領が24億ユーロ(約3400億円)、賭博が13億ユーロ(約1800億円)をそれぞれ売り上げたとされる。

 一方、武器売買、売春、偽造品、密入出国請負などは採算性が低いようで、これら全てを合算しても収益は10億ユーロ(約1400億円)に満たないという。