【3月24日 AFP】米ファッション誌「ヴォーグ(VOGUE)」4月号の表紙をリアリティー番組のスター、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)が飾ったことでツイッター(Twitter)上に怒りの声が上がっていることをめぐり、同紙のアナ・ウィンター(Anna Wintour)編集長は、発行前からこうなることを予期していたとして自身の選択を弁護している。

 今月21日発行の同誌4月号の表紙を飾ったのは、ストラップレスの白いドレスを身にまとい、婚約者のヒップホップ歌手、カニエ・ウェスト(Kanye West)の腕に抱かれたカーダシアン。この写真が公開されると、ヴォーグ読者らの間に衝撃が走った。

 ヴォーグファンらは、タブロイド紙に頻繁に登場するハリウッド(Hollywood)のお騒がせセレブを洗練されたカバーガールに仕立てた同誌を非難。ツイッターには怒りのコメントが寄せられた。

 しかし、ウィンター編集長は、これに対する反論をあらかじめ用意していたようだ。同編集長は4月号の編集後記で、「ヴォーグを編集する喜びの1つは、その時代のカルチャーを定義できる人たちを特集できること。そうした人たちは物事を湧き立たせ、その存在がスタイルを形づくり、私たちの物の見方に影響を与えたりする。そうした役割を今、キムとカニエが果たしているということに誰もが同意すると思う」と記している。

 数ページにわたって同誌に掲載されたこのカップルの写真は、米写真家のアニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)が撮影したもの。2人が砂漠のハイウエーを歩く姿やプライベートジェットのシートでくつろぐ姿の他、生後9か月の娘、ノースちゃんとの写真もある。

 同編集長は、カニエにフィアンセを特集するよう頼まれたという噂を「ゴシップ」だと一蹴。「チャーミングで感動的な」表紙の写真は、「完全に私たちのアイデア」と述べている。

 しかしツイッターでは非難の声が巻き起こっている。

 女優サラ・ミシェル・ゲラー(Sarah Michelle Gellar)は、同誌の定期購読をやめる意向を表明。スタイルブロガーのトム・フィッツジェラルド(Tom Fitzgerald)とロレンツォ・マルケス(Lorenzo Marquez)は、「ファッションとはまったく関係ない」と語っており、カナダのファッション誌「フレア(Flare)」も、「ありえない」とツイートしている。

 一方のカーダシアンは、自身が表紙を飾った4月号を歓迎。2000万人以上のフォロワーに向けて、「夢が叶ったわ!」とツイートしている。(c)AFP