【3月24日 AFP】エジプトのルクソール(Luxor)で23日、エジプト第18王朝のファラオ、アメンホテプ3世(Amenhotep III)の新たな巨像2体が考古学者らにより公開された。2体の巨像は赤色珪岩でできている。

 2体が公開された葬祭殿は、古代エジプト文明の政治・文化の全盛期だった3400年前頃のアメンホテプ3世の巨像「メムノンの巨像(Memnon colossi)」が有名だ。

「これまではメムノンの巨像2体が有名だったが、今日からはアメンホテプ3世の巨像4体として知られることになる」と保存プロジェクトを率いる独米の考古学者、Hourig Sourouzian氏は述べた。

 新たな像のうち1体は、重量250トンで王は座った姿勢でひざの上に両手を置いている。像の高さは11.5メートルで、台座は高さ1.5メートルで幅3.6メートルだ。

 アメンホテプ3世の右脚の脇には、妻であるティイ(Tiye)王妃が大きなかつらをつけ、体にぴったりとした衣をまとった姿でほぼ完全な姿で立っている。左脚の傍には母親で皇太后のMutemwyaの像があったが、今はなくなっている。

 王座の両側は当時の状況を示唆する装飾が施されており、上エジプトと下エジプト(Upper and Lower Egypt)の統一を表す模様も見られるという。

 2つ目の像は、アメンホテプ3世の直立像で、葬祭殿の北門に置かれている。その他、別の像の一部と見られる彫像物も同時に公開された。

 アメンホテプ3世は母を摂政に12歳で王となった。紀元前1354年ごろに死亡し、アクエンアテン(Akhenaten)として知られる息子のアメンホテプ4世に引き継がれた。(c)AFP/Jay DESHMUKH, Riad Abou Awad