【3月24日 AFP】(一部更新)アフガニスタンの首都カブール(Kabul)の高級ホテルで起きた旧支配勢力タリバン(Taliban)による襲撃事件で23日、犠牲になったフランス通信(Agence France-PresseAFP)記者と家族の葬儀が営まれ、雨の中、数百人が参列した。

 外国人に人気の「セレナホテル(Serena Hotel)」が20日夜、タリバンの未成年グループに襲撃された事件では、AFPのサルダール・アフメド(Sardar Ahmad)記者(40)と妻、長女(6)、長男(5)を含む民間人9人が死亡した。

 アフメド記者一家の葬列はカブール市内を抜けて郊外の墓地に向かい、アフメド記者と家族らの遺体は並んで埋葬された。

 アフメド記者の2歳になる次男は一命をとりとめたが、頭部や胸、脚などを撃たれており、今も集中治療室で治療を受けている。

 アフメド記者は2003年にAFPに入社し、カブール支局のシニア・リポーターになった。戦争と政治から暮らしまで幅広いテーマを扱い、意外性のある話題を見つける目を持つ万能型の記者として名をはせた。

 アフメド記者の死に対し、世界中の政治指導者たちから追悼の言葉が贈られている。アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は「悲痛で悔やまれる」死だと表現し、フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領はAFPのエマニュエル・オーグ(Emmanuel Hoog)会長兼最高経営責任者(CEO)に宛てた書簡でアフメド記者が「醜悪な攻撃」に倒されたと述べ、遺族や友人に「哀悼と団結」を表明した。

 AFPカブール支局のベン・シェパード(Ben Sheppard)支局長は、アフメド記者について「賢く、広い見識を持ち、上品で、少年のような情熱にあふれた」人物で、心から子どもに愛情を注いでいたと評した。(c)AFP