【3月24日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相は23日、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)にある博物館「アンネ・フランクの家(Anne Frank House)」を訪れ、「歴史の事実と謙虚に向き合いたい」と述べた。安倍首相はオランダ滞在中に、韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領と初会談を行う予定だ。

 安倍首相は核安全保障サミット(Nuclear Security SummitNSS)とウクライナ情勢をめぐる先進7か国(G7)首脳会議に出席するため、この日オランダに到着。ユダヤ人の少女アンネ・フランク(Anne Frank)がナチス・ドイツ(Nazis)の強制連行から逃れるため2年間暮らした隠れ家を記念館とした「アンネの家」を視察した際、アンネの写真の前で「歴史の事実と謙虚に向き合い、事実を次の世代に語り継ぐことで世界平和を実現したい」と記者団に語った。

 また、アンネが隠れ家で記した「アンネの日記(Diary of a Young Girl)」と日本との間には、深いつながりがあると指摘。20世紀は基本的人権が踏みにじられた世紀だったが「21世紀はそうしたことが起こらないようにしたい」と述べた。

 日本では最近、東京の複数の図書館でアンネの日記のページが破られる事件があり、男が逮捕されているが、政府は安倍首相のアンネの家訪問は同事件と直接関連するものではないとしている。

 安倍首相は核サミット出席後、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の仲立ちで朴大統領と日米韓3か国首脳会談に臨み、北朝鮮の核開発問題などを協議する。安倍首相と朴大統領は就任後これまで正式会談を行っておらず、今回の3か国会談は日韓の外交関係修復の第一歩となるとみられている。(c)AFP/Maude BRULARD