■中国政府による弾圧のリスク

 微博がよく比較されるツイッターは対照的に、北アフリカと中東の民主化運動「アラブの春(Arab Spring)」では表現の自由を実現するツールとして絶賛された。ツイッター自らも、かねて言論の自由の擁護者を自負しているが、国によって法的に要求されるのであればある国のツイートをブロックできると発表した際には、検閲をめぐる論争に直面した。

 しかしアナリストらは、微博の株式公開が成功するかどうかは、インターネット利用者が6億人以上に上る国でテクノロジー株に賭けてみたいと買い手が思うかにどうかにかかっていると話し、検閲が投資家にとって問題とならない可能性を示唆している。

 微博の株式公開前には同社の3分の2余りの株を取得していた親会社の新浪は、ハイテク株中心の米ナスダック(NASDAQ)市場にすでに上場しており、その市場価値は45億ドル(約4600億円)とされている。

 その一方で、中国のサイバー空間の思想的リーダーである微博の「公認」ユーザーらとネットのコンテンツに対する政府の弾圧が、各マイクロブログに悪影響を与えてきたことは、識者らも認めている。マイクロブログは微博だけでなく他社も運営している他、インスタントメッセージサービスの「WeChat(ウィーチャット、微信)」もユーザーが3億人以上にふくれあがり、急成長を見せている。

 昨年には、中国系米国人の投資家で、新浪微博上で中国政府を強く批判し約1200万人のフォロワーを誇っていたチャールズ・シュー(薛必群、Charles Xue)氏が、買春の容疑で逮捕され、国営テレビでさらし者にされた。

 また2012年には、政治家・薄熙来(Bo Xilai)被告の失脚後にクーデターの臆測が広まったことを受けて、微博のコメント機能が3日間にわたって無効化され、そのうわさを投稿していた一部のアカウントは閉鎖に追い込まれた。

 微博はIPO申請書で、利用者は2012年以降着実に増えており、昨年12月のアクティブユーザーは月計で1億2900万人、日計で6100万人を超えたと報告している。また、2013年の純損失は1310万ドルで、2012年の1億250万ドルに比べて減少したという。(c)AFP/Dan Martin