【3月21日 AFP】(一部更新)アフガニスタンの首都カブール(Kabul)にある外国人に人気の高級ホテルが20日夜、旧支配勢力タリバン(Taliban)の武装グループの襲撃を受け、内務省によると少なくとも8人の民間人が死亡した。子どもや外国人も含まれているという。4人組の武装グループは全員射殺された。

 タリバンの未成年メンバーからなる武装グループは、靴下の中に拳銃を隠し持ち、複数の警備をかいくぐって「セレナホテル(Serena Hotel)」に侵入した。AFPの取材に匿名で応じたホテルの受付係によると「何発かの銃声が聞こえた。その後、全員が警備員の誘導で安全な部屋に避難した」という。

 ホテル内では激しい銃撃戦があり、治安部隊が急行した。当局は当初、警備員2人と外国人従業員1人が負傷したと発表しており、宿泊客がけがをしたとの情報はなかった。

 だが、アフガニスタン内務省のセディク・サディキ(Sediq Sediqqi)報道官がマイクロブログのツイッター(Twitter)上で21日、外国人2人を含む女性3人、男性3人と、子ども2人の民間人が死亡したと発表。一方で、同国の副内相は、アフガニスタン人5人と外国人4人の計9人が死亡したと述べている。

 また、パラグアイのエラディオ・ロイサガ(Eladio Loizaga)外相によると、死亡した民間人の1人は、来月5日に実施される大統領選挙の監視員として滞在していたパラグアイの元外交官だという。この事件で犯行声明を出したタリバンは先に、大統領選を暴力によって阻止すると宣言していた。

 サディキ報道官は先に行われた記者会見で、「4人組の若者グループが午後6時ごろ、客を装ってホテルに侵入し、午後9時に攻撃を開始した」と説明していた。4人とも18歳未満で、うち2人はホテルのバスルームに立てこもり抵抗したが、全員射殺されたという。

 カブールで最高級のホテルとされるセレナホテルは、過去にも武装集団の標的とされたことがあり、2008年にはタリバンの戦闘員による自爆攻撃で8人が死亡している。(c)AFP/Usman SHARIFI