■アジアの「オビラプトル」の近縁種

 化石は10年前、ノースダコタ(North Dakota)州とサウスダコタ(South Dakota)州にまたがるヘルクリーク(Hell Creek)岩石層から発掘された。恐竜時代の終盤にあたる6600万~6800万年前の化石だった。

 これらの化石は、オビラプトロサウルス類のカエナグナトゥス科についての新たな知見を明らかにしている。カエナグナトゥス科は100年前に初めて発見され、シチメンチョウほどの小型の種から、重さ1.5トンに達する種まで様々なサイズがあることが知られている。

 アンズー・ワイリエイは、モンゴルや中国で発見された近縁種のオビラプトルに部分的に類似している。だが異なっている点もあり、オビラプトルのあごは短くて深いが、アンズー・ワイリエイのあごは、鳥によく似て長い。

 また、カナダのアルバータ大学(University of Alberta)の古生物学者、フィリップ・カリー(Philip Currie)氏によると、脚はアンズーの方が長かったとみられる。

 カリー氏は「つまり(アンズー・ワイリエイは)モンゴルの種とは異なり、ずっと速く走る能力を持っていた」とAFPに語った。(c)AFP/Kerry SHERIDAN