【3月19日 AFP】女性の科学分野への社会進出が固定観念により阻害されており、女性が理系の学位を申請する確率は男性の半分以下だとの調査結果を、米ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)が19日、発表した。

 日本、英国、フランス、ドイツ、スペイン、米国の若い女性が科学系の学部に入学する確率は平均35%で、男性の77%より大幅に少なかった。ボストン・コンサルティング・グループは、この不均衡は科学分野についてまん延している「固定観念」に原因があると分析している。

 科学研究に携わる女性の割合は1990年代から3%増加し、29%になっている。だが、女性が科学の博士号を取得する可能性は平均して男性の3分の1程度だった。この不均衡はさらに高い地位まで続いており、欧州の科学系教育機関の最高位を女性が占める割合はわずか11%、1998~2013年に授与されたノーベル賞の科学部門の132人のうち女性はわずか5人だった。

「女性の存在感の希薄さは大学から」始まり、その後も職場でこの傾向が強化され、男性に比べて責任のある立場を任されることが少なかったり、賃金が低かったりするという。この不均衡を解消するためには、今後10年間、毎年30万人ほどの女性が科学の博士号を取得する必要があると、報告書は述べた。(c)AFP