【3月18日 AFP】ネパール政府は17日、世界最高峰エベレスト(Everest)登頂を目指す登山者らが最後に乗り越えなければならない「ヒラリーステップ(Hillary Step)」にはしごを設置する可能性を示した。登山者の混雑を緩和することが目的だという。

 これに先立ち現地管理当局は先週、目に余る混雑で登山家たちがこれまで苛立ちを募らせてきたヒラリーステップをはじめ、複数箇所に追加のロープを設置する考えを明らかにしていた。

 そしてネパール観光省がさらに一歩踏み込む考えを示し、安全向上と混雑解消に取り組むことを発表した。

 観光省の報道官はAFPに対し、「4月~6月の登山シーズン中、ヒラリーステップでは渋滞が発生するため、登山家の安全を考慮してはしごの設置を検討中だ」と述べた。ただ、日程などについては、まだ決定していないという。

「世界の屋根」での混雑に対する懸念は、昨年夏に山の斜面で起きた欧州登山家グループと地元ガイドらとの乱闘騒ぎによって浮き彫りになった。

 騒動は、登山者のために氷壁にロープを固定していたネパール人たちが、ロープの取り付けが終わるまで待つよう求めたところ、この欧州登山家グループが拒否したことから始まった。グループはロープは不要と述べ、自由に登頂すると主張したという。

 人類初の登頂以降、エベレストでは300人以上が命を落としている。(c)AFP