【3月17日 AFP】 ホウレンソウに含まれている天然化合物には食間の食欲を減らす効果があり、肥満の予防に役立つかもしれないとする研究結果を10日、スウェーデンの科学者が発表した。

 食欲抑制の専門家である同国ルンド大学(Lund University)のシャロッテ・アーランソン・アルバートソン(Charlotte Erlanson-Albertsson)教授は、消化を減速させたり空腹感を和らげたりする方法を探している時に、チラコイドと呼ばれるこの天然化合物を発見した。

 チラコイドは、腸の上部だけで消化される傾向のある加工食品に対して、異なる作用を及ぼす。この化合物により、われわれを満腹だと感じさせる複数の主なホルモンの脳への放出が抑制されるという。

 試験グループの15人は、この化合物を毎朝食べたことにより、食間に何かを食べたいという誘惑を抑えることが容易になったという。

 「私たちの腸は十分活用されていないと言いたい」と教授は語る。アルバートソン教授は光合成研究の専門家である夫との会話からヒントを得て、この化合物を発見した。

 青葉に存在する化合物チラコイドは、脂肪の消化を遅らせる作用があるといわれる。つまり腸全体が消化に関わる時間が与えられる。

 しかし、ホウレンソウをそのまま食べるだけでは十分でない。ホウレンソウをつぶしてろ過し、遠心分離機にかけ、ホウレンソウの細胞からチラコイドを抽出することが必要だ。同大学によると「人間の体は、生のホウレンソウから直接チラコイドにまで分解することはできない」という。 (c)AFP