【3月16日 AFP】ウクライナのクリミア(Crimea)半島で行われるロシアへの編入の是非を問う住民投票を翌日に控えた15日、ロシアの首都モスクワ(Moscow)で、およそ5万人がロシアによるウクライナへの介入に抗議して市中心部を行進した。

 ウクライナとロシアの国旗を振り、ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領を退陣に追い込んだ首都キエフ(Kiev)での民衆蜂起で知られるようになった、「ウクライナに栄光を! 英雄に栄光を!」というスローガンを叫びながら、ロシアの著名人と一般市民がともに、ウクライナから軍隊を撤退させるようウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領に呼びかけた。

 デモ隊の中には、「プーチン、ウクライナから出ていけ」と書かれたプラカードを掲げる人や、クリミアに軍隊を派遣したロシア政府の決定を、第2次世界大戦(World War II)の誘因にもなったナチス・ドイツ(Nazi)によるチェコスロバキアのズデーテン(Sudetenland)地方併合に例える人々もいた。

 プーチン政権に反対しているロシアの女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」のメンバーらは、ロシアと欧米を冷戦(Cold War)時代のような対立に向かわせたロシアによるクリミア侵入を、旧ソ連と東欧4か国がチェコスロバキアに侵攻した「チェコ事件」に例えた。

 メンバーの1人、マリア・アリョーヒナ(Maria Alyokhina)さんは、行進の後に開かれた集会で、ロシア国旗を手に、「銃で管理された住民投票が、合法で公平となりえるのか?」と疑問を呈した。(c)AFP/Huw Griffith, Anna Malpas