【3月13日 AFP】オートバイ事故で顔面をひどく損傷した英国の男性が、3Dプリンターで製作した部品を使った斬新な形成外科手術で、顔を復元した。

 全工程で3Dプリンター技術を使ったおそらく世界で初めての外科手術を受けたのは英ウェールズ(Wales)、カーディフ(Cardiff)のスティーブン・パワー(Stephen Power)さん(29)。

 パワーさんは2012年に交通事故で複数の外傷を負った。事故時にヘルメットを着用していたものの、パワーさんは上あごと鼻、両頬骨、頭蓋骨を骨折した。

 執刀医によると、3Dプリンター技術を用いたことで、顔面の再構築における「当て推量」の段階を大幅に省略することができたという。

 術後のパワーさんの顔は、事故前に非常によく似せることができた。

■CTスキャンのモデルを3Dプリンターで作製

 治療を行ったのはウェールズ第2の都市スウォンジー(Swansea)にあるモリストン病院(Morriston Hospital)の医療チーム。

 チームは、パワーさんの頭蓋骨をCTスキャン。復元の目安としてCTスキャンから左右対称なパワーさんの頭蓋骨のモデルを製作し、そのモデルに合うようにガイドやプレートを作製した。パワーさんの頬骨はガイドに従って切断され、骨をその状態で支えるためにベルギーで作製されたチタン製のインプラントが用いられた。