中国外務省の秦剛(Qin Gang)報道局長は12日、同便が針路を引き返した可能性があるとの情報を、マレーシア当局が後に否定したことを指摘し、「現時点では多くの情報があり、非常に混沌としている。われわれもそれが正しいのか正しくないのか、確認するのが難しい」と苦言を呈した。

 マレーシア航空は11日、混乱をあおるかのように、捜索の焦点に関する発表を撤回した。また、マレーシア空軍のロザリ・ダウド(Rodzali Daud)大将が、同便の予定航路から遠く離れたマラッカ海峡(Strait of Malacca)でレーダーが不明機を捉えたと述べたとの報道を、大将自身が否定する一幕もあった。

 航空業界誌フライトグローバル(Flightglobal)の保安関連担当編集者デービッド・リアマウント(David Learmount)氏は、「責任ある国の政府と航空当局に、情報を扱う能力がないことは許され難い」と痛烈に批判する。

 マレーシアの野党指導者リム・キットシアン(Lim Kit Siang)氏は、閣僚はMH370便の失踪について何故もっと早く知らされなかったのかと疑問を呈し、「危機管理について、多くの疑問点がある。例えばMH370便が消息不明になったときに、すぐに首相や運輸相代行に知らされず、数時間という致命的な時間が経ってから知らされたことだ」と述べた。

 一方で、米PR会社オグルヴィ・パブリック・リレーションズ(Ogilvy Public Relations)のピーター・ハーシュ(Peter Hirsch)氏のように、マレーシア航空にできることはこれ以上ないと擁護する声もある。「文字通り何の情報もない中で、もし(乗員乗客の)親族から航空会社に対して大きな批判がなかったとしたら、驚くべきことだ」

「全てを考慮すれば、マレーシア航空は出来る限りのことをしているように思える」(c)AFP