【3月12日 AFP】オーストラリア南部メルボルン(Melbourne)にあるシーライフ・メルボルン水族館(SEA LIFE Melbourne Aquarium)は12日、人工授精によるサメのふ化に、同国で初めて成功したと発表した。将来的に、絶滅が危惧されているサメの繁殖に役立てることが期待される。

 同水族館によると、イヌザメの赤ちゃんは3日に誕生。同水族館は昨年9月、オーストラリア北東部ムールーラバ(Mooloolaba)のサメから採取された精液をメルボルンに空輸し、同日中に母胎に注入して妊娠させていた。生きた精液を別の施設から取り寄せてサメの赤ちゃんを誕生させたのは、世界でも初めてという。

 今回の体外受精は、サメの生殖行動を理解するための9年間のプロジェクトの一環として行われた。サメはオーストラリアでごく一般的な生物だが、その詳細についてはあまり分かっていない。

 獣医師チームは、同研究がシロワニ(サメの一種)など野生の絶滅危惧種を管理する上で役立つことを期待している。(c)AFP