■「ゼカリヤ書」の「一節一節」が描き込まれている?

 180ページのバーベル氏の近著は簡単に読みこなせる本ではないが、ダビンチはその生涯の仕事を通じて、旧約聖書(Old Testament)のゼカリヤ書(Zechariah)の最終章に当たる第14章の「一節一節」を描いたと説明している。「新しいエルサレム」の中に理想の社会が立ち現れるのを待ち望む章だ。

 ダビンチは「女性が聖職に就く権利を認めるべきだと主張するために」そうしたのだとバーベル氏は主張している。さらに同氏は「レオナルド(ダビンチ)は第14章から計40の異なるシンボルを借り、モナリザの構図の背景、中景、前景に配している」と述べた。

 モナリザの右肩の後ろにはキリストが磔刑(たっけい)に処された「ゴルゴタの丘(Calvary)」がのぞき、反対側にはオリーブ山(Mount of Olives)が見えるという。またモナリザの衣の袖口のしわは、やはり聖書の引用であり女性への抑圧を示す「くびき」を象徴しているとも述べている。

 ダビンチにとって「新しいエルサレム」という考えは「イエス・キリストに仕える聖職者として男女両方の信者が認められる権利を持つという普遍的価値に基づいていた。『新しいエルサレム』を認知することが、モナリザの微笑みに込められた秘密だ」とバーベル氏は考えている。

 モナリザに魅了される人々は後を絶たない。この数年だけでも、モナリザの目の表情から神秘的な印を読み解こうと試みた人や、モナリザの声を再現した日本人のファン、モナリザは「コレステロール過多だった」と診断した医師などがいる。(c)AFP/Fabienne FAUR