【3月10日 AFP】「核を手にした悪い奴を止められるのは、核を持った善人だけ」――。2008年米大統領選挙で共和党の副大統領候補に抜擢され注目を浴びたサラ・ペイリン(Sarah Palin)氏が、緊迫するウクライナ情勢をめぐりバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領にこんな一方的な助言を送った。

 ペイリン氏のこの発言は、8日にメリーランド(Maryland)州ナショナルハーバー(National Harbor)で開催された共和党系の保守政治行動会議(Conservative Political Action ConferenceCPAC)で飛び出したものだ。

 ペイリン氏は、オバマ大統領の外交政策を「無益」と一蹴し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領をつけあがらせる結果になっていると批判。「力による平和」の実現に失敗したことによって「本当に、ものすごく、とっても悪い奴らをのさばらせてしまった」と力説した。

 さらに、ウクライナに圧力をかけるロシアを念頭に、オバマ氏に向けて「大統領閣下、核を持った悪者を止められるのは、ただ1人。核を持った良い人間だけなんですよ」と訴えた。 

 これは軽薄な発言に聞こえるかもしれないが、保守系の人々に訴えかける上では大きな意味を持つ言い回しだ。

 たとえば米国最大の反銃規制ロビー団体「全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)」のウェイン・ラピエール(Wayne LaPierre)副会長は2012年、コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)の小学校で起きた銃乱射事件の後、「銃を持った悪人を止められるのは、銃を持った善人だけだ」と述べている。(c)AFP