【3月7日 AFP】気候変動による気温上昇でマラリアの流行地域がこれまでより標高の高い地域に広がりつつあり、その結果としてマラリア感染者数が増加する恐れがあるとの研究が、6日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 研究は、エチオピアとコロンビアの高地での統計に基づいたもの。2012年に62万7000人が死亡したマラリアへの感染が、今後急増する恐れがある。

 英米の研究者らはコロンビア西部アンティオキア(Antioquia) 州の1990~2005年のマラリア感染事例と、エチオピア中部のDebre Zeit地域の1993~2005年の同事例を分析。マラリア感染事例の分布の中心点は、気温が高かった年に高高度に移動し、気温が低かった年に低高度に移動していた。

「これは気候が効果を及ぼしていることを示す明白な証拠だ」と米ミシガン大学(University of Michigan)の理論環境学研究者、メルセデス・パスクアル(Mercedes Pascual)氏は語った。「気温が上昇すればこういった熱帯高地でマラリア感染の危険にさらされる人々の数が増加することが示唆される」

 専門家らは、高地にマラリアが拡大した場合、深刻な合併症と死亡につながる危険性があると述べる。「(高地の)住民は防御免疫を持っていないので、症状の悪化や死亡の危険性がより高い」と論文の共同執筆者で英ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical MedicineLSHTM)のメンノ・ボーマ(Menno Bouma)氏は語った。

 過去の研究は、エチオピアでは気温が1度上昇するごとにマラリアに感染する15歳未満の人数が年300万人増える恐れがあると報告していた。マラリアは子どもの最大の死因で、特にアフリカでは1分に1人の子どもが死んでいる。世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、2012年には2億700万人がマラリアに感染した。(c)AFP