【3月7日 AFP】(一部更新)仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)の考案者として米誌から名指しされた男性が6日、「自分はビットコインに関わっていない」と報道を否定した。

 ビットコインをめぐっては米誌ニューズウィーク(Newsweek)が同日、「中本哲史(Satoshi Nakamoto)」の名で知られながら身元は謎に包まれていたビットコインの考案者を突き止めたとする独占記事を掲載。日系米国人の物理学者「ドリアン・S・ナカモト(Dorian S. Nakamoto)」氏(64)だと名指ししていた。

 この男性は、米AP通信(Associated Press)の取材に応じ「ドリアン・プレンティス・サトシ・ナカモト(Dorian Prentice Satoshi Nakamoto)」と名乗った。しかし、ニューズウィークに掲載された詳細な経歴の一部を事実だと認めた一方、自分を「ビットコインの影の顔」とした記述は否定。ビットコインのことは、3週間前にニューズウィークの記者がナカモト氏の息子に接触してきた時に初めて知ったと語った。

 ナカモト氏は、AP通信オフィスでのインタビューを終えて車で帰宅する際に追ってきた報道陣に対しても、ロサンゼルス(Los Angeles)郊外にある2階建ての自宅前で、「私はビットコインに関わっていない」と断言した。 

 だが、ニューズウィークは記事の正当性を主張している。同誌によれば、ナカモト氏はシステムエンジニアとして米政府の機密任務に関与した経験を持ち、世界の金融業界を揺るがせている「仮想通貨」の考案に関与したことを当初は暗黙のうちに認めていたという。