■洪水の中に10日間、旅は続行の構え

 ドゥジースさんは2月17日、ウィンドラを出発して90キロ離れたジュンダー(Jundah)へ向かった後、消息を絶っていた。警察に対しては、道に迷った上、バークー川(Barcoo River)の流域2か所で発生した洪水に挟まれて立ち往生し、10日ほど水の中に取り残された「島」で過ごしたと説明したという。

「ウィンドラを出発する際にはベークドビーンズ(煮豆)とシリアルを携帯していたが、どちらもすぐに食べ切ってしまい、以後はずっとハエを食べていたそうだ」とヘンダーソン警部補は述べた。警察は先月24日、ドゥジースさんが予定通りにジュンダーに到着しなかったため上空と地上から3回の捜索を行ったが、見つけられなかったという。

 ヘンダーソン警部補はAFPの取材に、「警察では心配しつつ、もう亡くなったものとばかり思っていた」と語った。

 ドゥジースさんは、北部特別地域(準州、Northern Territory)まで徒歩旅行を続行する意向を示している。豪紙ブリスベーン・タイムズ(Brisbane Times)によると、ニューサウスウェールズ州から4000キロを歩いて北部特別地域にある巨大な岩山「ウルル(Uluru、エアーズロック)」を目指しているという。

 ただ、今後はちゃんとした道路を歩き、川や原野を抜ける近道は使わないと話している。(c)AFP/Barry PARKER