■「治癒」ではない

 赤ちゃんには現在も抗レトロウイルス薬による治療が続けられている。研究チームは「治癒」という言い回しだけでなく、「寛解(病気が見かけ上消えた状態)」という単語もまだ慎重に避けている。

 赤ちゃんは現在、生後11か月で医師の診察が継続されている。医師らは、赤ちゃんが2歳になった段階で抑制治療を中断して赤ちゃんが寛解したか、あるいはウイルスが再発するかを確かめることを検討している。

 年次会議ではまた、米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)のデボラ・パサード(Deborah Persaud)氏が、生後31時間目に抗レトロウイルス治療を行ったミシシッピの赤ちゃんの最新の報告を行った。

 この赤ちゃんは現在3歳で、21か月前に投薬治療が中止されて以降HIVの再発は確認されておらず、HIVから寛解したと判断されている。

 ブライソン氏によると、ロサンゼルスの研究チームは、彼らの治療した赤ちゃんも同じく順調な経過になるだろうと楽観視しているという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN