【3月5日 AFP】サッカーコソボ代表は、5日に行われるハイチ代表との親善試合で、国際サッカー連盟(FIFA)の承認の下、国の独立6年目にして初めて世界の舞台に立つ。

 試合に先立ち、コソボサッカー連盟(Football Federation of Kosovo、FFK)のファディル・ボクリ(Fadil Vokrri)会長はAFPに対し、「この試合で氷が解け、孤立を終わらせることになる」と語った。

 2008年にセルビアから一方的に独立宣言を行って以降、コソボは長い間、すべてのスポーツにおいて国際舞台に出ることができなかったが、ハイチとの試合はその障壁を打破するものになる。

 コソボは新たな国家として、米国と欧州連合(European Union、EU)28か国のうち23か国を含めた100か国以上に承認されているが、セルビアとその長年の同盟国ロシアには認められていない。

 セルビアはコソボの国連(UN)加入に激しく反対してきた。その結果、コソボはFIFAや、そのほか多くの国際スポーツ組織に加盟することができていない。

 しかしながら、FFKのロビー活動やセルビアサッカー界との長年の交渉が実り、1月13日にFIFAが開いた理事会でコソボ代表チームの試合にゴーサインが出された。

 セルビアサッカー連盟(Football Association of SerbiaFSS)のトミスラフ・カラジッチ(Tomislav Karadzic)会長は、「これはFIFAの決断であり、わが政府の提案と一致する。この件はそれで終わりだ」とコメントした。

 ハイチとの試合は、コソボ北部のコソブスカミトロビツァ(Kosovska Mitrovica)にある収容人数2万9000人のアデム・ヤシャリ・スタジアム(Olympic Stadium Adem Jashari)で行われる。

 そこは180万人のアルバニア系住民が暮らす唯一の土地で、FIFAの要望と一致した。

 コソボ政府は74万ユーロ(約1億円)を投資して、1979年に当時の旧ユーゴスラビアが2-1でルーマニアを下した一戦が最後に行われた国際試合となったスタジアムを改装した。

 FIFAの決定後、FFKは2万5000ユーロ(約350万円)の予算を組んでボールや代表ユニホームを調達しており、コソボ代表チームはこれまでに非公認ながらマルタやモナコとの親善試合を行っている。

 しかしながら、セルビアが今回の決定を反対しないようにするために、FIFAの要請でコソボの国旗掲示と国歌斉唱は認められない。