アカデミー主演女優賞は銀幕復帰のケイト・ブランシェット
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【3月3日 AFP】第86回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式は2日、米ハリウッド(Hollywood)で開催され、『ブルージャスミン(Blue Jasmine)』のケイト・ブランシェット(Cate Blanchett、44)が主演女優賞を受賞した。
同部門にはその他、『アメリカン・ハッスル(American Hustle)』のエイミー・アダムス(Amy Adams)、『ゼロ・グラビティ(Gravity)』のサンドラ・ブロック(Sandra Bullock)、『あなたを抱きしめる日まで(Philomena)』のジュディ・デンチ(Judi Dench)、『8月の家族たち(August: Osage County)』のメリル・ストリープ(Meryl Streep)がノミネートされていた。
ブランシェットにとっては約10年ぶり2度目のオスカー獲得になった。しかし、そんなブランシェットを久々に銀幕に復帰する気にさせたウディ・アレン(Woody Allen)監督からは、撮影開始当初、ダメ出しの連続だったという。
「初日(アレン監督)には『ひどい、あなた(の演技)はひどすぎる』と言われた。2番目のテイクも「まだ、ひどい」だった」──『ブルージャスミン』で、落ちぶれ精神を病んでいくニューヨークのセレブ女性を演じたブランシェットは、米CBSテレビの情報番組「60ミニッツ(60 Minutes)」で明かした。数年ぶりにスクリーンに復帰したこの役で、すでにゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)ドラマ部門の主演女優賞と、米映画俳優組合賞(Screen Actors Guild Awards)の主演女優賞にも輝いている。
2004年にブランシェットは、米国の大富豪ハワード・ヒューズ(Howard Hughes)を描いたマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督の伝記映画『アビエイター(The Aviator)』で恋人の女優キャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)役を演じ、アカデミー助演女優賞を受賞した。
しかし夫で脚本家のアンドリュー・アプトン(Andrew Upton)氏とともに09年、オーストラリアの名門劇団シドニー・シアター・カンパニー(Sydney Theatre Company、STC)の共同芸術監督に任命されて以来、ブランシェットは映画界での活動を長らく休止していた。STCでは『欲望という名の電車(A Streetcar Named Desire)』の世界ツアーなどで好評を博したが、2014年からアプトン氏が単独で監督を務めることが発表され、再び演技のキャリアに専念しようというタイミングでのオスカー受賞となった。
アカデミー賞の授賞式前、米誌エンターテイメント・ウィークリー(Entertainment Weekly)には「演じることからはずっといつも逃げている。毎回説得されないと戻れない」と語っていた。しかし1月の米映画俳優組合賞の授賞式では「ウディ(アレン監督)の仕事の仕方はもともと舞台的な香りがするから、たぶん自分にも準備ができていたんだと思う」と述べた。
オーストラリア・ビクトリア(Victoria)州の州都メルボルン(Melbourne)に生まれ学校に通ったブランシェットは10歳のときに、米国の広告会社の重役だった父親を心臓発作で亡くした。母親は生計を立てるのに苦労し、14歳になったブランシェットに老人介護施設で働けるよう年齢を偽らせようとした。
カレッジでは美術史を学んでいたが中退し、入り直したオーストラリア国立演劇学院(National Institute of Dramatic Art)を1992年に卒業。このころから、STCでの演技が批評家や観衆に評価されるようになった。シドニー劇場批評家協会賞(Critics' Circle Theatre Award)では史上初めて、新人賞と最優秀女優賞を同じ年にダブル受賞した。
今回のアカデミー賞発表前には、アレン監督の過去の性的虐待疑惑が持ち上がり、受賞レースに暗い影も差した。しかし、2日の授賞式でブランシェットは、アレン監督の「類いまれな」脚本を称賛し「わたしに役を与えてくれてありがとう、ウディ。心から感謝しています」と語った。(c)AFP/Amy COOPES