■専門家の評価は?

 米ニュースサイト「デイリー・ビースト(The Daily Beast)」のマーロウ・スターン(Marlow Stern)氏は次のように述べている。

「ディカプリオは40歳を目前にしている。私たちは今、正しいことをし、この時代の名優のひとりをたたえなければならない。10年後に太鼓腹になって脇役を演じている彼にではなく、脂の乗り切っている今の彼にオスカーを与えるべきだ」

 また映画賞などを予想するサイト「ゴールド・ダービー(Gold Derby)」のトム・オニール(Tom O'Neil)氏もディカプリオを推している。

「レオは、今年最も話題になった作品でキャリア史上最高の演技を見せた、世界で一番ビッグな映画スターだと言っても過言ではない。オスカーに値すると思う」

 ファンも同じ考えのようだ。インターネット上には、アカデミーの長年にわたるディカプリオに対する冷遇を非難またはからかう映像が溢れている。前述の床を這うシーンで、ディカプリオがオスカー像を引きずっているというものもある。

 一方で、放送映画批評家協会(Broadcast Film Critics Association)の会長は、ディカプリオがアカデミーから冷遇されているとは思わないと語る。

「アカデミー賞受賞は滅多にないことで、受賞できなかった往年の映画スターたちも多い。再びノミネートされただけで、とても特別だ」

■豊作の年で競争激化

 例年であれば、ディカプリオの今回の演技はオスカーの本命だったかもしれない。しかし今年は豊作の年で、6000人のアカデミー会員の票を多くの作品と俳優たちが奪い合っている。その結果、『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~(All is Lost)』のロバート・レッドフォード(Robert Redford)と『キャプテン・フィリップス(Captain Phillips)』のトム・ハンクス(Tom Hanks)はノミネートを逃した。

 最有力とされているマコノヒーは『ダラス・バイヤーズクラブ』で、HIV陽性と診断され、生きるために奮闘した実在のカウボーイ、ロン・ウッドルーフ(Ron Woodroof)を演じた。21キロ減量した熱演で、ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)のほか、映画俳優組合賞も受賞している。(c)AFP/Leila MACOR