【2月27日 AFP】マラリアを媒介する蚊がどのようにしてDDTやその他の殺虫剤への抵抗力を獲得したのか、リバプール熱帯医学校(Liverpool School of Tropical Medicine)のCharles Wondji氏が率いる研究チームがその仕組みを解明した。研究論文が25日の専門誌ゲノム・バイオロジー(Genome Biology)に掲載された。

 蚊の殺虫剤に対する抵抗力の獲得は、マラリア対策の主要な課題となっている。研究チームによると、「GsTe2」と呼ばれる代謝に関する遺伝子で突然変異が起きることで、蚊が殺虫剤を分子レベルで破壊し、毒性をなくすことができるようになるという。

 DDTは環境への影響を理由に多くの国で数十年前からその使用が禁止されているが、貧困国では依然として、蚊を駆除するための重要な手段となっている。


 研究チームは、殺虫剤に抵抗力があるアフリカ・ベナンに生息する蚊、Anopheles funestusのゲノムを解析し、抵抗力がない蚊と比較してその違いを調べた。さらに他地域に生息する、抵抗力のある別の蚊も調べた結果、「L119F」と呼ばれる突然変異がその共通項であることを突き止めたという。(c)AFP