【2月27日 AFP】米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task ForceUSPSTF)は24日、ビタミンEとベータカロテンのサプリメントを心臓疾患やがんの予防目的で摂取することについて「推奨しない」とする勧告を発表した。

 米医学誌「内科年報(Annals of Internal Medicine)」に掲載されたこの勧告は、ビタミンサプリメントの使用に関する2003年の勧告を改訂し、ビタミンEとベータカロテンに関する情報を追加したもの。市場規模280億ドル(約2兆9000億円)の米ビタミンサプリメント産業にとっては大きな痛手だ。

 がんと心臓疾患は米国における2大死因だが、その予防効果がビタミンEとベータカロテンにないことは既に分かっている。USPSTFは、ビタミンEは予防に貢献せず、ベータカロテンに至っては効果よりも健康被害をもたらす可能性があることを示した複数の科学研究を系統的に再検討し、今回の勧告に至った。

「ベータカロテンは、肺がんリスクの高い人が摂取すると、さらにリスクが高まり有害となる恐れがある」と、USPSTFのマイケル・レフィーバー(Michael LeFevre)共同委員長は指摘している。

 一方、マルチビタミン剤については、心臓疾患・がんのいずれについても効果や害の有無を判断するだけの十分な証拠は見つからなかったという。