【2月26日 AFP】インドネシアの自然保護当局は24日、インドネシア西部にあるスマトラ島(Sumatra island)のリアウ(Riau)州で、絶滅の危機に瀕するスマトラゾウ7頭の死骸が見つかったと発表した。死因は毒殺によるものとみられている。

 スマトラ島ではパーム油のプランテーションが急速に拡大し、アジアゾウの亜種の1つであるスマトラゾウの生息地が狭められている。そのため、人間とゾウとが接触する機会が増え、ここ数年ではゾウが毒殺される事例が数十件ほど発生している。

 地元自然保護当局の広報担当者によると、リアウ州のテッソニロ国立公園(Tesso Nilo National Park)近くで16日に発見されたのは、同じ群れに属するとみられる、メスの成体1頭、若いオス5頭、オスの子ゾウ1頭の死骸。すでに死後5か月が経過していたという。

 広報担当者は「現場からはゾウたちが毒殺されたことを示唆する手がかりが見つかった。ゾウがパーム油のプランテーションに害を与えているとみなす人々が毒殺した可能性がある」と指摘した。

 スマトラゾウの死骸が発見されるのは珍しいことではないが、7頭もの死骸が同時に発見されることはほぼ皆無だという。

 スマトラ島では近年、プランテーションの拡大で熱帯雨林が破壊されており、住民がゾウを害獣とみなして殺す事例も多発している。

 世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature、WWF)の広報によると、パーム油の生産会社に開発が許可されているのは、主にテッソニロ国立公園の敷地外だが、多くの住民たちは公園内で不法にプランテーションを開発しているという。(c)AFP