【2月24日 AFP】米国家安全保障局(NSA)がドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の携帯電話を直接の傍受対象から外した後に、盗聴対象を独政財界の有力者数百人に広げていると23日付の独紙が報じた。

 独日曜紙ビルト・アム・ゾンターク(Bild am Sonntag)は、独政財界の320人がNSAに監視されていると伝えており、その中にはトマス・デメジエール(Thomas de Maiziere)内相も含まれているという。

 同紙は、ドイツ国内にいる匿名の米情報機関高官が「首相(メルケル氏)の通話をもはや直接傍受することができなくなって以降、何であれ情報を逃すなと命じられている」と語った言葉を引用している。

 米当局に訴追された中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者の暴露によって、米情報機関がメルケル首相の電話を盗聴し、ドイツ市民の膨大なオンラインデータや通話記録を収集していた疑いがもたれて以降、米独両国の関係はこじれている。

 米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は前月、米情報機関は今後も他国政府を対象とする監視を継続すると述べた一方で、メルケル首相に対しては、侵害的な監視によって両国間の関係を損なうようなことはしないと保証していた。

 ビルト・アム・ゾンターク紙はまた、米国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)のケイトリン・ヘイデン(Caitlin Hayden)報道官が、同様の情報収集活動をすべての先進国に対して行っていることをオバマ政権は明言していると述べた発言を引用している。(c)AFP