【2月25日 AFP】勝者と敗者を分けるコンマ数秒の差を必死に追い求めて、冬季五輪に参加したボブスレーの各チームは、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の最先端技術を利用している。

 英国チームはF1の強豪マクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)と英防衛大手BAEシステムズ(BAE Systems)、ロシアチームはマルシャ(Marussia F1 Team)、イタリアチームはフェラーリ(Ferrari)と提携し、そのノウハウを結集している。

 英国チーム男子4人乗りのパイロット、ジョン・ジャクソン(John Jackson)は、チームの責任者らが2010年に、マクラーレン社の技術部門マクラーレン・アプライド・テクノロジー(McLaren Applied Technologies)からの申し出により、同社の試験施設を使用するほか、科学的専門知識の供与を受ける契約を結んだと語った。

 36歳のジャクソンは、「今年はBAEシステムズの風洞施設で多くのテストを行い、それにはF1のマクラーレンチームも帯同して作業した。その結果、ボブスレーのエアロダイナミクス(空力システム)とシャシーに修正を加えることができた」と述べた。

「ここでのほんの1パーセントの改善が、大きな違いにつながることを期待しながら行っている」

 英国海兵隊の軍曹でもあるジャクソンは、BAEの風洞施設でタイムを100分の1秒削ることに成功するだけでも、厳しい競技の中では明暗を分けると語った。

「冬季五輪に関して言えば、理想のコンディションには多少の運も必要だ」と話すジャクソンは、「しかし、運を引き寄せるためにできることは、いろいろある」と続けた。

「理想のソリと4人の優秀な選手がいれば、チャンスは得られる。でも強くなる方法を得るためにできることは何かしらある。もしメダルを勝ち取りたいなら、それをやるべきだ」