【2月21日 AFP】米ニューヨーク(New York)市は20日、23年服役した後に冤罪(えんざい)が認められて釈放された男性に対し、慰謝料として640万ドル(約6億6000万円)を支払うと発表した。

 この男性は、デービッド・ランタ(David Ranta)さん(59)。ニューヨークのブルックリン(Brooklyn)地区で1990年に起きた宝石店強盗未遂事件で、居合わせたユダヤ教のラビ(指導者)を射殺した犯人として有罪判決を受けた。

 ランタさんは一貫して無実を訴え、昨年やっと釈放されたが、自由を取り戻した翌日に心臓発作を起こしている。

 この事件では、捜査を担当したニューヨーク市警のルイス・スカーセラ(Louis Scarcella)刑事が目撃者に圧力をかけるなどして証言を捏造(ねつぞう)していた疑惑が浮上。起訴は誤りだったとしてランタさんは釈放された。

 ニューヨーク市の担当者は、「経緯の見直しや協議を重ねた結果、全当事者にとって最良となる形でランタさんとの示談が成立した」と報告。「わが市の歴史において非常に遺憾な出来事は幕を閉じる」「早急な解決を図れたことをうれしく思う」と述べている。(c)AFP