■欧米の対応は

 EUは米国と共にウクライナに危機解決の仲介を申し入れ、キャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表(EU外相)を含む高位外交官を数人、ウクライナに派遣した。衝突が激化した20日には、仏独ポーランドの3外相もキエフを訪問した。しかし、こうした努力はロシアからの批判や、ウクライナへの内政干渉だとの非難を招いている。

 しばらく対応に手をこまねいていたEUだが、20日になって「血塗られた手を持つウクライナ人」に対し渡航禁止と資産凍結を科すことでEU加盟国が合意したと、エンマ・ボニーノ(Emma Bonino)伊外相が発表した。米国はこれに先立ち、複数のウクライナ高官に渡航禁止措置を科している。

■ロシアの立場は

 ウクライナ危機への関与を長く否定してきたロシアは20日、ウクライナ政府と野党勢力との仲介を目的とした代表団をキエフに派遣すると発表した。

 ロシア政府はウクライナとEUとの関係強化に断固反対しており、ウクライナ政府がEU側から提案された貿易・政治連合協定を拒否した後、150億ドル(約1兆5400億円)の経済援助と、数十億ドル(数千億円)相当の天然ガス価格引き下げを約束した。ウクライナ野党勢力は、政府がロシアに国を売ったと批判している。

 EUは、ロシア政府の対応について、旧ソビエト連邦構成国のウクライナを経済的に脅迫していると非難している。(c)AFP