【2月21日 AFP】米SNSフェイスブック(Facebook)による携帯端末向けメッセージングサービス「WhatsApp(ワッツアップ)」の190億ドル(約1兆9000億円)での買収について、アナリストの間では極めて高額な取引ではあるが抜け目ない戦略的行動だと評価する声が上がっている。

 19日に発表されたこの買収により、フェイスブックは新興市場への参入機会を獲得するのみならず、この無料メッセージングアプリを米グーグル(Google)などのライバル企業に奪われるのを防ぐことができた。

■フェイスブックの魅力向上

 米FBN証券(FBN Securities)のシェブリ・セイラフィ(Shebly Seyrafi)氏は20日のリサーチノートで、「高額な買収だが、そこには説得力のある戦略的な論理がある」と述べた。

 セイラフィ氏は買収の利点として、ワッツアップがブラジルや南アフリカ、中国などの国々で大きなユーザー基盤を抱えていることを指摘。また、「ワッツアップからの収益に加え、フェイスブックがより統合されることに利点がある。(ワッツアップ買収は)フェイスブックが外国やモバイル市場で成長する中で、フェイスブックをより魅力的にするだろう」と分析した。

 スイス金融大手クレディ・スイス(Credit Suisse)のアナリスト、ステファン・ジュ(Stephen Ju)氏は、長期的な視点に立てば買収は理にかなっていると語る。「消費者の費やす時間全体の中での(フェイスブックの)シェアを増やす、攻めの姿勢だとみている。それにより収益機会が新たに増えることになるだろう」