【2月20日 AFP】病原体に感染した養蜂場のミツバチが、野生のマルハナバチに病気を伝染させている可能性が高いとする研究論文が、19日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。マルハナバチの授粉は世界中の農家にとって不可欠だ。

 ハチの個体数は、欧州、米大陸、そしてアジアで、野生においても飼育下においても減少しているが、その原因ははっきりとしていない。

 養蜂場のミツバチからウイルス、もしくは寄生生物がマルハナバチに感染しているとする説があるが、欧州の研究チームは論文で、この仮説を裏付ける証拠を発見したと述べている。

 研究チームは3段階の実験を実施。第1の実験では研究室でマルハナバチをチヂレバネウイルス(Deformed wing virus)とノゼマ微胞子虫(Nosema ceranae)の2種の病原体にさらし、ミツバチに感染することが知られているこの2種の病原体にマルハナバチが感染するかどうかを確かめた。

 結果、マルハナバチの寿命は著しく減少した。マルハナバチ(ハタラキバチ)の平均寿命は21日ほどだが、感染した個体の寿命は3分の1~4分の1程短くなったという。