■T細胞を「再教育」

 今回の試験では、患者から取り出したT細胞に遺伝子操作を施し、がん細胞中の「CD19」たんぱく質を認識して攻撃するよう改変した。ブレントジェンス氏は「研究室での遺伝子治療によって、腫瘍細胞を認識・破壊できるようT細胞を再教育したということだ」と、AFPの取材に説明している。

 キメラ抗原受容体発現T細胞療法と呼ばれるこの手法について15年間研究してきたブレントジェンス氏は、「特定の種類のがん患者に非常に効果があるようだ」と述べた。同氏によると、米国では現在の試験に参加している患者は60~80人いるとみられ、欧州でも研究が進められているという。

 米国では昨年12月、複数の研究機関が、がん免疫療法の試験の途中経過報告を行った。ブレントジェンス氏は、他の米研究機関からも類似する寛解率が報告されており、今回の試験結果が「ただの偶然でないことを示している」と指摘。「これは本物の現象だ。がん治療法にパラダイムシフトを起こすかもしれない」と述べた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN