【2月17日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で先ごろ見つかったギリシャ神話の神アポロンの等身大の銅像が、実際は地上で見つかっていた可能性が高いと専門家が指摘している──。

 銅像は海岸付近で漁師が見つけたとされているが、約2500年前のものとみられる印象的な芸術品に付いた緑青(ろくしょう)から、海ではなく地上で見つかった可能性が高いという。

 この漁師は、昨年8月に沿岸の海底で銅像を見つけたと話しているが、複数の専門家らはこれを真っ向から否定している。ある考古学者は、「破壊者の手をまぬがれるために、銅像の発見を公にする必要があった。利益をちらつかせば、銅像の保護が保証されるため」と指摘した。銅像には数千億ユーロ(数百億円)の価値があるとされている。

 一方、欧米が支援するパレスチナ自治政府(Palestinian Authority)のHamdan Taha観光副大臣は、銅像の修復と転売の可能性に懸念を抱いていると述べ、今後の成り行きを見守りたいとしながら「ハマス(Hamas)によるガザ地区の実効支配が、われわれを邪魔している」と苦言を呈した。ハマスは、ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織だ。

 重さ450キログラム、高さ1.7メートルの銅像は現在、調査のために未公表の場所で保管されているという。