「厳しい冬」、ジェット気流の変化が原因か 米研究
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■農業に大きな影響
今年の冬、米国では特に中西部と南部の州で著しい低気温に見舞われている一方で、アラスカ(Alaska)州などの極北地域では異常な暖冬となっている。
このことは「気候のパターンが変化していること」を示唆しているとフランシス氏は言う。「同様の事態がさらに続くことが予測され、発生頻度も増加することが予測される」
米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)の気候専門家、ジェームズ・オーバーランド(James Overland)氏によると、北極の気温は「地球の他の地域の2倍から3倍速いペースで」上昇しているという。
ただフランシス氏は、こうした変化が人為的な原因で起きているとするのは時期尚早だとし、「さらに多くのデータを蓄積することで、気候変動の影響が見えてくるだろう」と述べた。
米国立雪氷データセンター(National Snow and Ice Data Center、NSIDC)のマーク・セリーズ(Mark Serreze)所長は、北極の気温の上昇は極氷冠の融解に直接的に関連していると指摘する。
同所長は、AAASの会合で「海氷は、海洋とそれより冷たい大気とを分離する『ふた』として機能している」と語った。
だがこのふたが取り除かれたら、海水に閉じ込められていた暖気が大気中に放出されることになる。
この「温暖化」の傾向とジェット気流の変化は、特に農場が多数存在する米国の中緯度地域で、農業に悲惨な影響をもたらすことが予想される。
セリーズ所長は「今後は、極北地方で進行中の事態に関連している可能性のある、降水量と気温のパターンにおける変化が確認されることになる」と説明した。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI