【2月15日 AFP】扇動的な物言いで急速に支持を集めたインドのアルビンド・ケジリワル(Arvind Kejriwal)デリー(Delhi)首都圏首相(45)は14日、議会が汚職防止法案を否決したことに抗議するため、辞任する意向を表明した。

 ケジリワル氏は結党間もない「庶民党(Aam Aadmi Party)」の支持者らを前に、「閣僚は総辞職する。これは私の辞任届だ。これからナジブ・ジャン(Najeeb Jung)副総督の事務所に提出しに行く」と述べ、白い紙を大げさに振りかざして見せた。

 庶民党は、昨年12月に行われた人口およそ1700万人のデリー首都圏の議会選挙で大きな勝利を収め、インドの既成政党に衝撃を与えた。しかし、昨年12月28日に就任したばかりの首相の突然の辞意表明で、同党の今後は先行き不透明になったと言わざるを得ない情勢だ。

 連邦政府の与党・国民会議派(Congress Party)はこれまで庶民党との連携を図ってきたが、同法案は違憲だとして、14日に行われた採決の際には支持に回らなかった。

 これについてケジリワル首相は州議会を批判するとともに、マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相率いる国民会議派に裏切られたと非難し、同党に歩調を合わせた最大野党インド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)に対する怒りもあらわにした。

■再選挙は実施されない見通し

 ケジリワル首相は副総督に提出した書簡で、議会の即時解散と再選挙を要請した。しかし、先の選挙で70議席中32議席を獲得したBJPが新たに組閣し、再選挙は行われない見通しとなっている。

 庶民党は28議席を獲得するにとどまったが、国民会議派との連立により、ケジリワル氏が首都圏首相に就任、組閣に至っていた。(c)AFP/Bhuvan BAGGA