【2月15日 AFP】ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領に辞任を迫る、反政権派の大抗議デモを2日後に控えた14日、同大統領はテレビのインタビューで反政権派に対し譲歩を要求した。同時に、政府当局は勾留中のデモ抗議者全員の釈放を発表した。

 この動きは政府からの譲歩のように見えるが、ウクライナの首都キエフ(Kiev)中心部の「独立広場(Independence Square)」を2か月余りにわたって占拠している抗議者をなだめることはできないとみられている。

 ヤヌコビッチ大統領はインタビューで、「私は戦争をしたくない。国家を護り、安定した発展を再開したい。我々は反対派も譲歩するよう求めている」と語った。

 同大統領は1月末にデモ隊から死者が出た後、内閣を解散し、勾留者全員の特赦法に署名するなどの譲歩をおこなったが、条件を1つ付けていた。それは抗議者が独立広場の隣のキエフ市庁舎など占拠中の公共の建物すべてから退去することだ。

 一方、ウクライナのビクトル・プションカ(Viktor Pshonka)検事総長は14日、「昨年12月26日から2月2日までに234人が拘束された。現在も勾留されているものは誰もいない」と発表した。(c)AFP/Marianne BARRIAUX