【2月14日 AFP】恋人を殺害した罪に問われている南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告(27)は14日、昨年のバレンタインデーに恋人のリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さんを射殺してから1年が経つこの日に「悲しみに暮れる」胸の内を明らかにした。

 ピストリウス被告は自身の公式サイトで、次のように記した。「あの悲惨な事故に胸を痛め、リーバを昔も今も愛し続けるすべての人に対する僕の想いは、どんな言葉をもっても表現しきれない」「リーバを失った喪失感とあの日のトラウマを、残りの人生で抱えて生きていく」。このメッセージの後に、ピストリウス被告は一言「オスカー」と署名をした。

 また、ピストリウス被告は「心からの言葉(A few words from my heart)」としてツイッター(Twitter)にもこのメッセージのリンクを投稿した。ピストリウス被告がソーシャルネットワーク上で自身の公式アカウントを使用するのは、射殺事件の2日前にあたる昨年の2月12日以来初めて。

 両足義足のランナーとして世界的に著名なピストリウス被告は容疑に対し、首都プレトリア(Pretoria)にある自宅で施錠されたバスルームのドアの向こうにいた恋人を侵入者だと勘違いして撃ってしまったと主張している。

 しかし検察側は謀殺(計画的な殺人)だったと主張しており、「ブレード・ランナー」の異名を持つピストリウスは3月3日の正式審理にかけられる。

 バレンタインデーに起きた悲劇は世界中を揺るがし、南アフリカの国民的ヒーローは殺人犯なのか、はたまた射殺は不慮の事故なのか、犯罪の横行で疲弊している南アフリカの世論を二分している。(c)AFP