■勝負の日はひとり、スピードスケートのオランダ代表

 オランダのスピードスケート選手、カリエン・クライボイカー(Carien Kleibeuker、35)はオランダチームの中で唯一の母親。ソチ五輪では競技に集中する決意でいる。

「ここ(ソチ)では私と娘のことばかり話題にならないことを願っている。家族は心の中に一緒にいる。けれど私はここにスケートをするために来たんだから」

 クライボイカーの5歳の娘は、スピードスケート女子5000メートルに出場する母親をスタンド席から見守る予定だ。

「娘はレースの前日に空路でソチ入りして、翌日に帰国する。レースの前日には娘に会いたいけれど、レースの日に会う必要はない。当日は娘との面会計画を綿密に立てるつもりはない。それは見せかけのショーになるでしょ」

■夜更けの検査

 アルペンスキー女子滑降・決勝の前夜は早寝しようと考えていたのなら、2010年バンクーバー冬季五輪銅メダリストのオーストリアのエリザベート・ゲルグル(Elisabeth Goergl)の予定は変更を余儀なくされただろう。

 オーストリアオリンピック委員会(Austrian Olympic Committee)によると、ゲルグルは夜の10時55分にドーピング検査を受けなければならなかったのだ。

 オーストリアのチームドクターは「われわれはドーピングへの闘いを100%支持する。だがこの遅い時間の検査、しかも競技の前夜に、というのはやり過ぎだ。このことはエリザベートの準備を間違いなく妨害した」と語った。

 ゲルグルは2011年の女子滑降とスーパー大回転でワールドチャンピオンの2冠を達成しているが、12日の女子滑降・決勝の結果は16位だった。

 オーストリアオリンピック委員会は提訴した。

■おばあちゃんの心配事

 フリースタイルの女子スロープスタイルで金メダルに輝いたカナダのダラ・ハウエル(Dara Howell)。祖母のジャッキー・ハウエル(Jacquie Howell)さんが、競技を視聴中の緊張感について振り返った。

「私たちが心配でならないのは、空中にいるときじゃなくて、着地なんです」

 ジャッキーさんによると、地元オンタリオ(Ontario)州ハンツビル(Huntsville)では大声援だったという。「とても小さなコミュニティーですけれど、彼女の競技を見るために、午前1時に300人以上の人々がスキー場に集まっていました」

(c)AFP